超珍品のカートリッジが来ました
医療関係者のコロナ感染率が劇的に下がっているとの嬉しいニュースが上がっています。
私はやっとワクチン接種が終わって一安心しているところですが、まだ世の多くの人はこれからなので、早く接種率が上がって正常な生活にもどれる事を祈っています。
私は相変らずMC-L1000の断線品の修理に勤しんでいるところですが、今回は写真でしか見た事もなく、もちろん音も聴いた事がない珍しいカートリッジの修理依頼がきましたので、ご紹介したいと思います。
以前ジュエルトーンのJT-RⅢを修理した記事ですが、この記事を見て頂いたYさんから要修理のJT-RⅢの他、幾つかのカートリッジの修理の依頼がありました。
その送られてきたカートリッジの中で非常に珍しいのがJT-RⅢの上位機JT-RⅢ/Dです。
まず一番の特徴は名前のDが付いている事からも分かるとおりカンチレバーがボロンからダイヤモンドの角柱になっている事です。発電系はJT-RⅢと同じくリボン型ですが、導体は純金のワイヤーが使用されていて、ボディもシェル一体型で、シェルのトップにあるピンク色のプレートは人造ルビーがはめ込まれています。当時の定価20万円と値段も超が付く高級品でした。
さて、この個体は左chが歪むのですが、この場合アーマチュアの一部が何処かに触っている事が原因の場合が多いのです。
「触った事もない高級品ですので、分解の仕方もわからず、壊してしまう可能性が高い。」とオーナーのYさんに伝えると
「そのままでは使えないので、壊れても良いので開けて中を診てほしい」との事でした。
しかし、よーく観察してみると僅かに出ているコイルとダンパーの左右の形が違う事に気が付きましたので、正しいと思われる位置に戻すように実体顕微鏡をみながら竹串で突きながら位置を直してやると歪みが消えて正常な音が出る様になりました。
なので、カートリッジを開腹する事なく治ってしまったのです。
滅多に聴けないカートリッジが正常に動作する様になったのですから、今日は他のカートリッジとの比較試聴です。
もうこのクラスになると どれを聴いても素晴らしいのですが、JT-RⅢはMC-L1000と比べ高域がクリアーで鮮明、細かい音がよく聴こえるので大好きなカートリッジです。このJT-RⅢ/Dはこれにさらに密度を上げた音で繊細でありながらソリッドです。
MC-F1000との比較でも遅れをとる事は全くなく、特に深く沈み込む低域の延びはF1000以上で、最高峰クラスのカートリッジである事を見せつけられます。
/Dはソリッドな分実在感が高く、MC-F1000は爽やかな響きが空間にパァーッと広がる様が素晴らしい。/Dは引き締まっている分 ややダンプが強いかな?とも思いますが、何方も聴いていて楽しいのです。
リボン型カートリッジは構造的に出力が極度に低く、fidelixのLEGGIEROの様な超ローノイズなフォノイコでないとノイズが大きくなってしまい使えないのですが、私の様にパッシブボリュームで聴く者には さらにゲインが足りず、プリのフラットアンプ部を通して増幅しなければ聴きたい音量が得られません。どうしてもフラットアンプに影響を受けますので、出力が極端に低いという事がリボンカートリッジ最大の弱点なのです。もしもの話になってしまいますが、フラットアンプを使っての増幅が必要ないほどフォノイコだけでゲインが得られればMC-F1000でも追いつかない音が聴けるのかもしれません。
私はやっとワクチン接種が終わって一安心しているところですが、まだ世の多くの人はこれからなので、早く接種率が上がって正常な生活にもどれる事を祈っています。
私は相変らずMC-L1000の断線品の修理に勤しんでいるところですが、今回は写真でしか見た事もなく、もちろん音も聴いた事がない珍しいカートリッジの修理依頼がきましたので、ご紹介したいと思います。
以前ジュエルトーンのJT-RⅢを修理した記事ですが、この記事を見て頂いたYさんから要修理のJT-RⅢの他、幾つかのカートリッジの修理の依頼がありました。
その送られてきたカートリッジの中で非常に珍しいのがJT-RⅢの上位機JT-RⅢ/Dです。


さて、この個体は左chが歪むのですが、この場合アーマチュアの一部が何処かに触っている事が原因の場合が多いのです。
「触った事もない高級品ですので、分解の仕方もわからず、壊してしまう可能性が高い。」とオーナーのYさんに伝えると
「そのままでは使えないので、壊れても良いので開けて中を診てほしい」との事でした。
しかし、よーく観察してみると僅かに出ているコイルとダンパーの左右の形が違う事に気が付きましたので、正しいと思われる位置に戻すように実体顕微鏡をみながら竹串で突きながら位置を直してやると歪みが消えて正常な音が出る様になりました。
なので、カートリッジを開腹する事なく治ってしまったのです。
滅多に聴けないカートリッジが正常に動作する様になったのですから、今日は他のカートリッジとの比較試聴です。
もうこのクラスになると どれを聴いても素晴らしいのですが、JT-RⅢはMC-L1000と比べ高域がクリアーで鮮明、細かい音がよく聴こえるので大好きなカートリッジです。このJT-RⅢ/Dはこれにさらに密度を上げた音で繊細でありながらソリッドです。
MC-F1000との比較でも遅れをとる事は全くなく、特に深く沈み込む低域の延びはF1000以上で、最高峰クラスのカートリッジである事を見せつけられます。
/Dはソリッドな分実在感が高く、MC-F1000は爽やかな響きが空間にパァーッと広がる様が素晴らしい。/Dは引き締まっている分 ややダンプが強いかな?とも思いますが、何方も聴いていて楽しいのです。
リボン型カートリッジは構造的に出力が極度に低く、fidelixのLEGGIEROの様な超ローノイズなフォノイコでないとノイズが大きくなってしまい使えないのですが、私の様にパッシブボリュームで聴く者には さらにゲインが足りず、プリのフラットアンプ部を通して増幅しなければ聴きたい音量が得られません。どうしてもフラットアンプに影響を受けますので、出力が極端に低いという事がリボンカートリッジ最大の弱点なのです。もしもの話になってしまいますが、フラットアンプを使っての増幅が必要ないほどフォノイコだけでゲインが得られればMC-F1000でも追いつかない音が聴けるのかもしれません。

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