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ビクターMC-L1000の修理 その5

VictorのMC-L1000の修理が完了しましたので、いよいよレコード盤に針を落とします。シェルはテクニカのAT-LH15ミッチャクです。
何時の様にサブシステムHS-500のマルチ、PL-31E改ピュアストレートアーム付プレーヤーに取り付けて、レコードに乗せました。
イメージ 1

音は出ましたが、右chのみで左からは音がでません。何故なんだ・・・???
しかし、自分で治したカートリッジなのでプラシーボ満載ですので、片チャンのみでも凄く好い音です(笑)。
とりあえずマイクロコイルを譲ってくれたフィデリックス社の中川さんに
「音出たよー」と報告しました。「音はどうですか?」と中川さんに聴かれ「音は好いけど片チャンだけー・・・、導通あるのに何でだろ?」と聞くと「それは変ですね。どこかでショートしていないですか?一度電話を切りますから調べてみてください。」といわれました。
この電話を切る直前に「もしかしたら」と思い当たる事が頭の中に浮かびました。
それは、『コイルの空振り』
ダイレクトカップル型は正面から見るとVの字型ヨークの隙間にコイルが半分だけ入って、その中の磁束を切る事で発電するのですが、ネジ止めした時に前後は合わせたのですが、ヨークに入っているかは確認していませんでした。
もう一度振動系固定ベースのネジを緩め調整し直したところ両チャンネルより音はアッサリと出てきました。この瞬間、「ヤッター‼」と心の中で叫んでいました。
イメージ 2
分かりやすい様に修正後のコイル後方に光を当てて写真を撮ってみました。ホームベース型のコイルの正面にあたる部分がヨークの中にある事が分かると思います。
これが少しでもズレているとコイルは発電出来ないのです。
この後、再び中川さんに両チャンネルから音が出た事の報告と聴いた音の印象を連絡しました。
中川さんは「あまりにも難しい作業なので、もしかしたら出来ないのではないか?」と心配していたそうですが、私の報告に喜び、また驚いてもくれていました。

さて、肝心の修理後の音質です。
https://millionhit515.blog.fc2.com/blog-entry-262.html
昔書いたMC-L1000の音質評価ですが、エネルギーバランスは非常に良く、鮮明で癖がないので私は長いあいだレファレンスカートリッジと位置づけてきました。
今回の修理後の音ですが、ハッキリ書かせてもらいますが、オリジナルのMC-L1000を上回ります。
多くのカートリッジを聴いてきて、最近好んで聴いているPioneer社の『PC-70MC』やジュエルトーンのリボンカートリッジ『JT-RⅢ』などを聴くとMC-L1000の高域は僅かですが曇っていて、クリアーではなく視界がやや悪い事に気が付きます。この点が気になってきて最近はあまりL1000を使用しないのですが、比較の2機種はやや神経質な(硬質な鉛筆画を見る様な、繊細さを強調する)ところがあり、総合では一長一短というところでしょうか?
ところが、今回コイルを変えた事によって音はストレスの無い、何とも言えない さわやかな音がします。欠点とみていた高域は澄み切って、ポップスのボーカルの背景を流れる弦楽器の伴奏がどのカートリッジよりも混濁しないでハッキリと音を追う事ができるのです。もともとMC-L1000は中低域以下は歯切れがよく、厚みがあり非常に素晴らしいのですが、その良さは失われる事はなくそのままなのです。
今色々なレコードを聴いてみていますが、私が今までに聴いたカートリッジの中では一番の音ではないかと思うのです。
中川さんともこの結果について話をしたのですが、MC-L1000の高域の濁りの原因はプリントコイルではないかという事です。やはりプリントコイルは軽く作れるのですが、厚みが薄いためにコイル自体が振動している可能性が高く、今回の交換したコイルは4巻き、3層の12ターンとなっていてプリントコイルよりも厚みがあり剛性が高くなっている事が好い結果につながったのではないかとの事でした。

暫く聴いてみましたが、このカートリッジが私の新たなレファレンスになる事は確実です。
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コメント

No title

ワクワクしながら拝見させていただいておりました。
大成功のようでおめでとうございます。^^
自分の手で成し遂げると音の良さも倍増でしょうね。
私もやってみたい~

No title

成功おめでとうございます㊗結果楽しみにしていました。ところでコイルの磁気ギャップへの挿入高さの調整が結構シビアな気がしますがそうでもないのでしょうか?出力が大きく変動しそうです。最適深さを見つけるのが難しくはないのでしょうか?

No title

お~、お~、おめでとうございます!!

結果が上々どころかそれ以上のようで何よりです。
でもホントこんな修理作業(?)は「凄すぎ」です~

No title

修理完了、おめでとうございます。

これは、アナログプレーヤー専門店で開業して食べていけそうですね♪

No title

おめでとうございます。
これはもはや修理では無く、再創造の範疇になりますね!
アナログ、とりわけLPレコード愛好者の端くれとして、心から敬意を表するものです。だまてらFROM携帯

No title

>tetsuさん、
このフィデリックス社のコイルを載せたL-1000は私のも含め3台あるそうです。1台はコイルの音を聴く為にフィデリックスに、2台目は大沢久司さんが作った物(出来て当然の人ですよね)、そして、今回私の物が加わりました。
tetsuさんも4台目に是非加わってください。

No title

> セプ太さん
お祝いの言葉を有難うございます。
このフィデリックス社のコイルは中川さんのノウハウが詰まった物です。ヨークと接する所は直線で僅かにヨークのギャップに入っていれば能力を発揮してくれるそうです。
円形のコイルになると深さによって最適値が変動するので調整が難しくなるそうです。

No title

> ゴンザエモンさん
修理成功のお祝い有難うございます。
本音、全く自信はありませんでしたが、治りました。
これ、偶然かも・・・?

No title

> audiofunさん
お祝い有難うございます。
>アナログプレーヤー専門店で開業して食べていけそうですね♪
イヤー、プロはもっと厳しいですよ。アマチュアは楽しくやれればよいのですからね。気楽なものです(笑)

No title

> ダマテラさん
お祝い有難うございます。
修理が成功し、両チャンから音が出た時はオーディオをやってきて、今までで一番嬉しかったですね。

No title

> milonさん
4台目、おお…そうなれたらシアワセですねえ。
そしたら導通なしL1000探さなきゃいけませんね~。

しかし、このコイルでは中川さんもまだ1つしか作ってないのですか。
プリントコイルよりアッセンブルの難度はかなり増すでしょうから、
FIDELIX版の当初予定の価格は苦しいかな…?

No title

お、おめでとうございます!!
こんなミクロの作業を専用の冶具もなしにやり遂げるなんて、まさに神業です。
書いてないですが、磁界のギャップの中に入るように角度を調整するのが難しかったのではないでしょうか。ヨーク部分に当たるとノイズが出る筈なので、その辺もクリアしている所が、まさに神業!!。
FIDELIXから、MC-L1000を上回るカートリッジが発売される?のが楽しみです。

No title

> tetsuさん
このコイルの音は中川さんから聞いていて、だいたいの予想は付いていましたが、実際に聴いてみてはやはり感激の素晴らしさです。極めて困難な道ですが、是非トライをしてみてください。それだけの価値は絶対にありますから。
出来るだけ当初の予定価格で発売できる事を私も願っています。

No title

> sh0*01a*さん
コイルの左右の直角出しは記事の通り顕微鏡の十字線に厳格に合わせてみました。横からの角度は適当の見た目です。偶然上手くいったというところでしょうか(笑)。

中川さんには「今、皆さんが一番待たれているのはMC-F1000だから、これを作らなければ駄目だよ!」とハッパをかけておきました(笑)。
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