2019/01/05
半月ほど前に佐倉市に用があり、そこに住んでいる元佐倉オーディオクラブの部長をしていたA氏の所に久しぶりに顔を出してきました。
今回 私の作った『PL-31E改ピュアストレートアーム付』をA氏に聴いてもらいたくて、貸し出し試聴用に置いてきたのです。どんな評価が出るのか楽しみに待っていました。
半月ほどたった先日プレーヤーを返しにA氏が私のオーディオルームにやって来ました。
A氏の評価は昔から辛辣で、ある時こんな事がありました。
私のオーディオシステムを聴いてもらう為に来てもらったところ、「ダメだよ!こんなんじゃ!」とダメ出しして「帰る!」と言って5分位でサッサと帰ってしまった事がありました。
この時はさすがにガッカリして落ち込みましたが、「言われている事も一理ある」と素直に受け止め、気持ちを切り替える術も学びました。
その代わりに音が良い時には、とても的確で表現豊かに評価をしてくれるので、私としてはA氏が来た時にはあれこれと聴かせたくて、独特の表現の試聴感想を貰うのがとても楽しみでした。
そんなA氏の最初に話し始めた事はピュアストレートアームの事で、「スピンドルから2cmも短いアームで内周で歪みが出ないはずがない!と思い、あれこれ再生の難しいレコードをかけて ダメ出ししてやろうと思ったが、どれを聴いても全く歪まないんだよなぁ。何故なんだ?」と不思議がっていたので、私が「昔、江川さんがリニアトラッキングアームにわざとカートリッジを斜めに取付て再生してみたところ
『10度位のトラッキグエラーでは人が聴いても全く分からない』と言う実験結果だったんですよ」と説明をしました。
この後、通常のS字アームにフィデリックス社のZシェルをつけてピュアストレートアームの効果を聴いてもらいました。
https://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/29607300.htmlまた、通常の滑り軸受のスピンドルシャフトと私が改造したベアリング式スピンドルシャフトを入替えて聴いたもらったところ、「このプレーヤーの音は軽いんだよな~、普通のシャフトにすると音楽が重く沈んでしまう」と言いましたので「そうでしょ。私はこの音を『解き放たれた音』と言っているんですよ。上方にパァ~と音が広がるでしょ?」と言うと「そうなんだよな。」と納得していました。
そして「昔、私がAさん宅で実験して見せたプレーヤーを手でまわして聴かせた あの音なんですよ。あの時、「このバイオリンの艶!こりゃあ手回し専用のアルバイトを雇うしかないよな」とAさん話していたでしょ?」と言うと、「あの時の事は良く覚えているよ」と頷きました。A氏も他のマニア宅に行き、プレーヤーを手で回して聴かせて見せると皆一様に驚いていたそうです。
シャフトを外したついでにCRC556スーパーを添加した直後のもっとシャフトの回転抵抗が少ない状態も聴いてもらいました。
「そんなんで音が変わるのか~?」とA氏は懐疑的でしたが、実際音を聴かせるともっと伸び伸びとした音楽の鳴り方に感心しきりでした。
そして、「今までに使ってきた あのプレーヤーの太いシャフトは何だったんだろうなぁ???」と言っていました。
此処までをLo-DのHS-500サブシステムで聴いてもらいましたが
最後にALTECのA5メインシステムに変えてヘンデルの『メサイア』を1曲だけ聴いてもらいました。「HS-500でも十分と思う音だが、比べるとスケールが大きく、朗々と鳴る様は流石にA5だよな」と聴いた感想を話していました。
A氏は「最近は周りのオーディオ仲間も一人、二人と減り、オーディオもあまり熱心にやらなかったが、プレーヤーを貸してもらった おかげで久しぶりにオーディオに無中になれた。」と最後にこう礼を言って帰られました。