2016/07/21
関東は暑くないのはよいのですが、なかなか梅雨が明けず湿気の多い毎日が続いています。
さて、私のアナログプレーヤーはすでに完成域に達していると自負していますので
ここの所で所有している物やリビルトした物、そして借用している物など多数のカートリッジを再度聴き直してみています。
ところで皆さんは鉄芯MCカートリッジと空芯MCカートリッジではどの様なイメージをお持ちでしょうか?
夫々のポジティブ面を書くと
鉄芯は低域に力と密度があり低重心で線が太く厚みがある音と言うイメージでしょうか?
方や空芯は繊細で低歪、澄み切った空間のイメージでしょうか?
確かに鉄心カートリッジはトータルなシステムとして低域が出ていない音を補う(辻褄を合わす)には鉄心カートリッジの方が上手くバランスが取れる事があります。
鉄芯入りカートリッジ派から見れば空芯カートリッジはエネルギーバランスが高域寄りで厚みがなく線が細い音と言うのがネガティブな所なのではないかと思います。
私もロックをよく聴くのでバスドラの力強さや厚みは無くてはならない条件ですが
一時は「オルトフォン型カートリッジの方が好い」と思えた時期もあったのです。
しかし、空芯カートリッジはシステムが熟成されてくると どんどんと音の重心は下がり、けして迫力も厚みも力強さも物足りない様な事はなく誇張のない自然な音なのだと分かってきたのです。
私は長くアナログをやっての経験から空芯カートリッジのエネルギーバランスが高域に寄って細身になってしまうのはプレーヤーの回転に起因するものと、フォノイコライザーの色付けによるものが原因となっているのでは?と思う様になっています。
今や空芯MC派の私からみれば鉄心MCの音のネガティブ面は、まず空間に現実には無い物が見える(聴こえる)事で、それが邪魔をして(濁って)空間の底が見えない事に苛立ちます。また、鉄心の音はスピーカーの外側まで「パァーッ」とオーラの様に響きが広がらず、閉じ込められた空間のなかで響きがグルグル巻きになっているかの様に聴こえ、高音の質感も硬質になりやすく、また表現も細やかさが足りず大雑把に聴こえます。また低音は量が多すぎで低音かぶりがある様に聴こえるカートリッジがあり、質感も「ドスドス」と重く(鈍く)響く様に感じるのです。
フィデリックス社の中川さんともカートリッジの事ではよく話をしますが
最後には何時も「カートリッジの選択条件は最低でも空芯だよね。」と言う結論に至ります。