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高忠実な機器

今日は天気も良く、かなり気温が上がってきています。まだ5月なのに真夏の暑さです。

普通はオーディオ機器は『優しく聴きやすい音』にするには、
鋭角的な音のエッジは捨ててピントのボケた輪郭の甘い音に色付けすれば比較的たやすくその様な音なります。ただし、こうなると嫌な音、キツイ音は出なくなり聴き易くなりますが、どんな部分を変えても音の変化量は少なく、私からみれば『BGM的で大雑把な どうでもいい音』になってしまいます。

逆に鋭角的な音に作っていくと、鮮明な音の様にはなりますが、聴いていて『煩い』『疲れる』『質感が硬い』などの傾向の音になりやすいのではないかと思います。

上記の様な音は比較的どちらも出しやすいのですが、ライブ演奏を実際に聴くと『耳に突き刺さるほどの強烈で刺激的な音でも優しい音』です。
オーディオ機器に色があると思われている方には「言っている事が矛盾してるんじゃないの?」と言われそうですが、生演奏をよく聴いている方には「うん、うん」と頷かれているのではないかと思います。
この様に再生で難しいのは『強烈で鮮鋭なのに耳に優しい音』です。

私は最近は「レコードにはカッティング時に使われたマスターテープの音に思っていたよりもずっと近い音が刻まれている」と感じる事が多いのです。
しかも上記の様な鮮鋭で優しい自然な音で入っているのです。
その音をそのままレコードから取り出す事が出来ればよいのですが、これこそが至難なのです。

この音を再現する為には入力側をそのまま増幅だけする高忠実なアンプが必要なのですが、「高忠実なアンプはつまらない音がする」などとネットに書かれているのをよくみます。しかし、「本当に高忠実なアンプを使ったのなら当然の結果だろうな」と私は思うのです。高忠実なアンプに『つまらない音』を入力すればどの様な音が出てくるのか?
「高忠実な機器だから音が良いはずだろう」と思うのはとんでもない間違いで、音を良くする矛盾した高忠実アンプなど在るはずもありませんし、適当な機器を接続していきなり良い音など絶対に出ません!

私が色付けが無い高忠実と言われるフィデリックス社のアンプを最初に手にした時に出てきた音は絶望的な音でしたが、よく、よく考えてみれば入力側をそのまま増幅して出力しているわけですから、問題があるのはその上流の入力側なのです。(でも、当時は本当に良い音が出るのかは「凄~~~く」不安でした。)
高忠実アンプがレコードからカッティング時の音を取り出すには、迷うことなく何をすればよいのかを指し示し、入力側の音の悪さの問題点を教えてくれているのです。
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聴いて なんぼ

あたりまえですがオーディオは、音楽を聴いて楽しむ道具です。

この世にオーディオ機器やその関連商品は星の数ほど沢山ありますが、技術的に裏付けられて作られた真面目な物から 何の根拠もない怪しい物まであります。

メーカーは販売する為に「この製品はこの様な画期的な技術や、この様な理屈や、他の物より特性が良いから音が良い」などと売り口上は言ってはいますが、はたして音は聴いて作っているのでしょうか?

私の場合はまず聴いて、その音が良ければ『何故良い音なのか?』の理屈を後で考える事にしています。
その様にすれば、たとえその理屈が間違っていたとしても『良い音』の結果はそのまま現実として残り、間違うことはありません。理屈など後付けでよいのです。特性も良い事に越した事はないのですが、まずは『人が聴いてどの様に聴こえるか?』です。

しかし、私の好きな『アナログプレーヤーのメカニズム』に限ってみても存在する製品は理屈先行の物が多い事にはガッカリします。

物量投入された巨大なターンテーブルのプレーヤーや、特性の良いDDプレーヤーが何故見た目は普通のリンソンデックのLP-12に音では勝てないのか?その事実はそこに存在し、その理由は後付けで考えてみる事です。
また、「スピンドルシャフトは太い方がターンテーブルが確りするから音が良いはずだ!」という尤もらしく当り前の様に言われてきた理屈ですが、でも、実際聴いてみると細いスピンドルシャフトの方が音は圧倒的に良いという私の実験結果の事実があるのです。まるで正反対の結果ですよね。
今回のピュアストレートアームにしても「アームはレコードの内外周でのトラッキングエラーと歪みを最小にできるオフセットのついたアームであるべきだ!」という既成概念を覆すほど内外周での歪みは感じられず、音が良いのは何故なんでしょう?

まずは『聴いて なんぼ』『何故音が良いのか?』の理屈は先行ではなく後付けで十分です。

アナログとデジタルどちらが音が良い

寒かったり、暑かったりと気温が安定しないで体がついていけませんね。

デジタルかアナログか
マイペースさんのところで、この題材をブログに上げて皆さん議論が白熱していました。
デジタルと言っても16/44からハイレゾPCM、DSDまで色々とありますし、一括りにするのはムリがありますので、ここでの話はCDフォーマットの16/44をデジタルとしたいと思います。
ご存知の様に私はもともとデジタルは苦手で仕方なく聴いていましたが
最近はSDカードトラポをコンデンサ電源で駆動したり、性能の良くなったDACを使ってみて、それまで使っていたLP-12やARの改造品のアナログの音に追いついてきたので、「使い勝手が良いからデジタルでも良いか。」と思いはじめていたのです。
この時点なら『デジタルもアナログも好みの問題』と言われている方の意見も受入られたかも知れません。
そんなやさきに気兼ねなく改造が出来るジャンクのベルトドライブプレーヤーが手に入り状況は一変するのです。

その経過は書庫の『レコードプレーヤーPL31E改』に書いてある通りですが、
それまで「かなり良い」と思って使っていたLinnのLP-12もARのプレーヤーも過去に置き去りにして、デジタルも以前と同じ様に殆ど聴かなくなってしまうほどの差がついてしまいました。
なので一般の方が思われているアナログらしい音と私の聴いているアナログの音とでは かなりの隔たりがあるのではと思っています。
その様な理由でアナログも一括りには出来ないほどの差があり過ぎるので『デジタルかアナログか』という大まかな問いにも人夫々で答えは出ないのだろうと思います。

私のアナログの音に限って言わせてもらえば、アナログレコードは圧倒的に音楽が静かだという事です。デジタルの一番気になるところは音のジリジリ感があり音楽が騒がしい事で、これは小さな音の時はそれほど感じないのですが、音が一斉に鳴るフォルテの時に圧倒的な差として感じるのです。同じ曲の同じところではフォルテにもかかわらずアナログは静かにさえ感じますから。
人の声やバイオリンの音の肌理の細かい滑らかさや優しさにも差があり、感情表現もアナログは波の様にしなやかな曲線で出てきますが、デジタルは硬質感があり、直線的で素っ気なく、優しくなければならない所も強い表現になってしまっています。
空間の出来方もアナログと比べてデジタルは奥行が浅く平面的で大画面テレビを見るかの様に感じてしまいます。

ですので、私の答えはアナログですが、これは16/44に限っての話で
私の師である 中川 伸さんの話では「コルグ1000番をSSDに載せ換えてバッテリーでドライブしたDSDレコーダーで録音した音はナグラの38/2トラより音が良い」との事です。(コルグの2000番はスイッチング電源なので音は悪いそうです。)
これは以前より一貫して話している事なので間違いはなさそうですので、
私もDSDデジタルには期待をしたいと思っています。

ケーブルで音は変わるのか?

私の結論から先に言わせてもらうとケーブルで音は変わります 。

しかし、音が良くなった様に聴こえても「元の音と同じ音か?」というと必ずしもそうではないのが現実です。
私は元の音をできる限り変化させいな高忠実な物を良しとしています。
なので、ケーブルで音質調整をするという様な事はしたくはありませんのでケーブルで音が変ってしまうのは
たとえ良く聴こえたとしても否定したいと思います。
 
 スピーカーケーブルを選択する時の手法を例に取れば、数センチ程度の極端に短いケーブルの音を基準として使い、実際に使う長さのSPケーブルの中から この短いケーブルに極力近い音のする物を比較選択する方法が一番良いと思っています。(この手法も直接原音比較法です。)

スピーカーケーブルやラインケーブルを使用する上で一番大事な事は必要最低限な長さしか使用しない事が大事だと思います。これがケーブルの色付けを最小にする一番簡単な方法です。
ケーブルを長くして使うと歯切れの悪さ、音像の滲み、低域の鈍さ、微細な音が聴こえず大雑把、などの音質劣化が聴き取れると思います。
10m以上もある高性能ケーブルを余ったからと丸めて使うなどは音質への悪影響は甚大です。
私のメインスピーカーはケーブルの音質改善効果のあるリモートセンシング機能を持ったLB-4と言うパワーアンプでドライブしていてもパワーアンプをスピーカーのすぐ側に置き1m程度の長さで使用するようにしています。

 電源ケーブルで音が変わる事は 自分も昔から分っていて、いろいろな電源ケーブルやスピーカーケーブルを電源ケーブルにして付け替えて実験しました。
実際に音は変わりましたので音の変化を楽しんでいましたが、結局は基準が無いままのケーブルの交換などは「思い込みの落とし穴」に嵌まる痛い結末になってしまいました。
とくにフィデリックスのアンプは電源ケーブルも含めての音で作られていますので、この結末になる可能性は大きいとおもいます。(実際に自分でやってみて「フィデリックスのアンプでも音は変わるが良くなる事はない」という答えをだしました。)
ですので今、私の使用しているフィデリックス社の機器の電源ケーブルは特別な理由がないかぎり交換する必要はないと思っています。

 世の中には「えっ!桁が1つか2つ多いのでは?」と思う様な値段のSPケーブルや電源ケーブルがありますが音を悪くしないケーブルはあっても、音の良くなるケーブルなど絶対にない!!というのが私の結論です。ですのでケーブルに大金をかける事ほど愚かしい事はないですね。

音の評価基準

自分は生演奏を寸分違わず再現するなどという事は思った事はありませんが
実際の演奏はこの様に聴こえるという物は確りと持っています 。

実際の演奏を聴いて私が一番に感じるのは全ての音は乾いていて軽いという事です。乾いていると書くと潤いの無いカサカサしたイメージと受け取られてしまいそうですが、別の書き方をすれば ベタッとしていないでサラサラとしていて素軽い音という事です。
実際にオーディオシステムを聴くと重いものを背負って「ヨッコラショ」と動いている様に聴こえるものが多く、この点が一番に気になりますので、私がシステムの音を評価する時の一番の基準となります。

具体的にはベースなどはブンブンと言うイメージですが私にはツンツンとかプンプンという感じに聴こえますし、ドラムのスネアを強打する音は電気のショート時のスパークの音に似ていてパチッ!とかバチッ!という もの凄い衝撃と速さに聴こえます。
ピアノの高域はちょうど「鈴を転がす」と言う言葉がピッタリで軽くて「コロコロ」とした音に聴こえ、そして、演奏者が鍵盤を叩く音は一音一音微妙にタッチの強さを変えて叩いていますが、オーディオ機器では同じ強さにベタッとして聴こえる機器が多いのです。(活き活きとしたドライブ感が感じられない)

PAを通さないサックスはそっと吹くと本当に優しい音がしますが、強奏すると耳に突き刺さるほど強烈です。
この様に実際の音は優しさと強烈さの両面性を併せ持った表現の幅が広いものですが、ハイエンドと呼ばれる機器の中には歪感の全くしない綺麗なだけで上品な音しか出さない厚化粧の物も多々見うけられます。

ジャズカルテットを実際に聴くと一番エネルギーがあるのはドラムスで特にハイハットは鮮やかで目立ちます。
次にトランペットやサックスなどの管楽器、そして意外に音のエネルギーの小さいピアノ、ともすると聴こえないくらい一番エネルギーが小さいのがベースです。
ですので、生演奏そのままの再現ではなく、ピアノやベースの音を大きくして全体のバランスを取るのも録音エンジニアの表現として「これも、ありだ」と思います。しかし、再生する側がこれをデフォルメするのは私はけして好みません。

よく音像と響きといいますが音像がクッキリとした鮮明な音をオーディオマニアは好むのではと思います。
しかし注意が必要なのは響きが整理されて音像の輪郭が強調されてコントラストが強くついている音を解像度が高いと錯覚してしまう事です。(磁性体などが信号経路に直列に入るとこの様な音になりやすい)
以前の記事にも書いたように 私は 手を伸ばせば触れるのではと思えるほど高密度の滲みの無い小さな音像から、響きが音場空間の遥か彼方まで放射状に飛び散る様を目で追えるものを高解像度と高く評価したいと思います。

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