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古いMJ誌に載った高忠実アンプの記事

ゴトーのツィーターの下に敷いてあった古本を読んでいて、昭和60年の無線と実験のなかにアンプ製作の考え方についてフィデリックス社の中川さんが当時投稿した記事を見つけました。
抜粋して書いてみましたので読んでみてください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

私は音楽のすばらしさをそのまま再現しようとする原音に忠実なアンプということでずっと研究している。
アンプの音質テストで最もシビアな方法は、例えばゲイン20㏈のアンプを設計するなら -20㏈のアッテネーターと組合わせてゲインを0㏈として、これ全体をジャンプしても、元の音質と差のないものほど理想的と判断する方法である。ところがこれは実に難しい。
アンプを設計する人は、自分の設計したアンプの音に有頂天になる前に、このテストをしてみると理想アンプに比べて、自分のアンプがどんな癖をもっているかよく認識できる。

長年のこういった研究からわかったことは、増幅素子として真空管やFET等の電圧増幅素子は音楽の持っている肌理の細かい部分の表現力ということで、とにかく優れている。
しかし電流増幅素子であるバイポーラトランジスターはこれらと比べると、どうしても高域が歪っぽくて大雑把になってしまう。
電流というのは電子という粒子からできているので本質的にデジタル量ともいえる。
一方の電圧という情報は電子から、アンドロメダ星雲まで離れても、微少な電圧を発生するアナログ量である。
電子の粒という小さいものまで言い出すとは、大袈裟と思うかもしれないが、今のアンプのノイズは殆ど何らかの熱雑音であり、これは電子が熱エネルギーによって飛び跳ねている音である。
デジタルの量子化ノイズほどでなくても無視できない大きさではある。
こんな事が電圧増幅素子の方が優れている原因ではないかと私は思っている。
こういった事から言えば、真空管は優れているのだけれども、FETで言えばNチャンネル相当品しか この世に存在しない。
というのは入力(グリッドかカソード)よりも出力(プレート)のDCレベルが必ず高いため、直結すると特別な事をしない限り出力に高圧が出てしまう。したがってカップリングコンデンサーをどこかで使う事になる。これも先に述べた原音比較法により、テストすると これを通しても低音の膨らまないカップリングコンデンサーを見つけるとなると困難である。
また片極性しかない為、電源の影響をキャンセルする回路を作りにくい。この二点から、どうしても真空管アンプは本物に近い質の高い低音、つまり、クッキリと締まって力強く音程感のよくわかる音だけは出しにくいと言える。逆に言えば甘くフックラとして柔らかい低音が好きな人にはこれがまた良いのかもしれない。
その点、FETは球のように歪感なく肌理細かい高域と、クッキリとした石の低域を併せ持った音となる。
私は球派でも石派でもなく、ずっとFET派?と自分では思っている。

中略

面白いもので、こういった原音比較法で良い結果の出るアンプというのは、凄く良いデータがでるわけでもないのが本当のところ。
むしろポイントを押さえたシンプルな回路の方が具合がよい。ただしパーツは物凄く吟味しなくてはならない。
というのは、この世にあるパーツは全て問題を持っていて、音を良くする部品というのは1個も無いからである。
だから極めて良いものを、ごく少量使うという方法が音質劣化を最小限にくい止める一番良い方法である。
Opアンプのような複雑な回路で安いパーツをふんだんに使ったものは、いくら特性が良くても、良い音は出てこないと私は思う。なぜならば計測器ではわからないほどのローレベルが人間の耳にとって非常に大切であり、これは生鮮食品のように、わずかな事で傷みやすい性質を持っているからである。
その為信号経路はなるべくシンプルにし、通過していくパーツは少ないほど良くしやすいのは、よく理解して頂けるとおもう。
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宝物LB-4aパワーアンプが帰りました。

待って、待って、待ち焦がれて焼け焦げてしまうほど待った
私の宝物、フィデリックス社のLB-4aパワーアンプが ついに修理を終えて帰ってきました。
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何十年も使って来たはずのアンプなのに新しいおもちゃをもらった子供の時の様に このワクワクする気持ちは何なんでしょうか。

            LB-4aの内部構造です。
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立体的に無駄が無い様に組まれていてコネクターなどの接点が一切ありません。
12.5WのAクラスアンプが左右二台あり互いが時間差のないシャントレギュレーターとして働きます。
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              方式による電源電流波形の違い
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②のA級アンプに比べて①のB級アンプの電流波形が歪んでいる事がわかります。
また③のB級BTLアンプの波形も歪んでいる事が理解して頂けると思います。
そして④はLB-4の電流波形で、同じA級アンプを全く相反する動作をさせる事で電流は一定となり
比較的小柄ながら巨大電源を持つアンプに勝るとも劣らない超レギュレーションを実現しているのです。
追記
このリアルタイムAクラスBTLアンプの技術はフィデリックスのDAC『CAPRICE』にも採用されていて
小さな筺体に入るよう一見すると小型の頼りない電源に見えますが、
実は大型の電源にも引けをとらない超レギュレーションの電源となっていて
I/V部は音質最優先のAクラスBTLアンプなので発熱も他のB級動作のDACなどに比べて多くなっています。


フォアカード全て揃ったLB-4パワーアンプ、右ラック最下段はLX-8チャンネルデバイダー
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fidelix MCR-38プリアンプ

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FIDELIX社の全製品の中で最高傑作は間違いなく このMCR-38プリアンプだと思います。
このプリアンプでレコードを聴くと、天才的アンプ設計者『 中川 伸 』のアナログ再生への拘りと思い入れが凝縮されている事を音楽を聴く度に強く感じるのです。
このプリアンプが完成した時に中川さんが最初に江川三郎さんの所へ持って行き聴いてもらったところ、即答「このプリアンプ購入するよ」だったそうです。それから晩年まで江川さんの愛用のプリアンプを務める事になるのです。

最大の特徴はMCカートリッジを3GΩの超Hiインピーダンスで受けバルクハウゼンノイズを激減させる事ができるという事です。
MC入力の換算雑音は-154dbVと最高の静けさで、ダイレクトに ほぼ全ての低出力カートリッジを難なく増幅してみせてくれます。
電源部に使われている整流ダイオードは通常のシリコン製ではなく世界で唯一のガリュウム砒素ショットキバリアーダイオードです。

バックパネルに 入力インピーダンスの切替えスイッチが付いていますが、これが壊れて切り替えが出来なくなりました。
修理をかねて中を開けて写真を撮りましたので構造を見てください。
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この切替えスイッチで100Ω受の時と3GΩ受の時で、どの様な効果があるかの音質比較ができる様に配慮されています。
私はもう効果は分っていますから100Ωで聴く事はありませんので、3GΩ固定に改造します。

MCR-38は渦電流歪を避ける為、筐体の天板と底板は鉄板やアルミ板の金属ではなくガラスエポキシ材で出来ています。
http://blogs.yahoo.co.jp/milonhit/10826719.html
天板を外した写真です。Lchの一枚基盤が見えます。
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音の色付けを避ける為に無メッキのガラスエポキシプリント基板になっている事が分ると思います。

右サイドパネルを外し、横から内部を撮った写真です。
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下がRchの基盤で全く同じものが上下向き合せの完全なデュアル・モノラル構成になっています。
上下2枚の基盤の間にビッシリと生えた素子が見えるでしょうか?これらの部品は全て非磁性に拘っているのです。
センターに見えるシャフトが青いフィルムコンの向こう側の入力セレクターに繋がっています。
回路はオールJ-FETのフル・ディスクリートでOpアンプは一切使用していません。
この基盤からリード線を使わず直接RCAの入出力端子が付いています。
使われている電源のレギュレーターの数は全部で42個で、全ての増幅段に独立した定電流回路が設けてあり徹底して電源電流まで安定化する様にしてあるのです。

これを見てもらうと何故、工作の大好きな私がアンプ作りに手を出さないかが理解してもらえると思います。

ボリュームはL型アッテネーターで、これに使われている抵抗はニッケルクロム系のギラ付いた音や、カーボン系の埃っぽい音の色付けを嫌ってシンコーのタンタル抵抗です。
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そして今回修理する部分は右側の緑色の切り替えスイッチです。フォノイコライザー部の銅箔スチコンが見えます。
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オレンジ色のリード線を外して100Ωの抵抗をオープンにするだけの簡単な作業です。
これでカートリッジの受けが3GΩ固定となりました。

プリアンプLZ-12MCの高音質化 2

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本日フィデリックスよりショットキー・バリヤー・ダイオードが送られてきました。
左からサンケンの90V、日本インターの100V、新電元60Vだそうです。
耐圧の大きい物ほど音質が悪くギリギリの耐圧で使用するのがミソだそうです。
60Vは面実装タイプなので取り付けが少し難しいかな。


LZ-12プリアンプがどの様にして作られたかが載っています。
http://www.fidelix.jp/products/LZ-12.pdf

プリアンプLZ-12MCの高音質化

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LZ-12の内部、右側からフォノイコライザーアンプ部、次がDCカット用大型スチロールコンデンサー、次がフォノ用定電圧電源6個、次がフラットアンプ用定電圧電源6個、次がフラットアンプ、次がトランスと平滑回路です 。


現在はフィデリックスのMCR-38プリアンプを常用していますが(タイトルのアンプ欄参照)、
30年位前に買ったプリアンプLZ-12MCが使わないで有りますので、これを改造して高性能化を考えています。
当時まだショットキー・バリヤー・ダイオード(以後SBD)は耐圧の低い物しか無く、
このプリにはファースト・リカバリー・ダイオードが使われていました。
時代は進み、高耐圧SBDが作られるようになってきましたので「ダイオードの交換でどの位音に変化があるか興味がある」と製作者の中川さんに話をすると、使用するSBDを送ってくれると言ってくれました。
まだ物は到着していませんが、これから楽しみながら改造してみたいと思います。

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平滑用電解コンデンサーの左側のファースト・リカバリー・ダイオード

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